2020 S32同期会旅行記 | |||||||||||||||||
11月3日朝、目が覚めて思わずわが目を疑った。なんと空が青い! 晴れている! 昨日、朝から雲行きが怪しかった天気は、バスの中で昼食弁当を終える頃には泣き出した。安曇野のちひろ美術館に寄った時は、バスの駐車場所から美術館入り口までの距離に傘が必要であり、私は濡れながら車椅子を漕いだ。時間が押し迫っており、そそくさと鑑賞を終えてバスに戻った頃は本降りになってきた。 晩秋の日暮れは早く、雨の中バスは人里を離れて山あいに入って行く。いささか不安を感じ始めた時、暖かい光に包まれたリゾートホテルに到着した。
関東地区から参加の諸兄姉はすでにチェックインして迎えてくれた。バスの中でホテルの案内を聞き部屋に向かったが、想像とは異なる全くのカントリースタイルの配置である。大きな中庭を囲んで木造2階建ての建物が配置され、大浴場へ続く通路には雨を気にしながら屋外を通る部分があった。 体の不自由な私に配慮して予約してもらった家族風呂は、正真正銘の露天風呂で、洗い場にも浴槽の上にも全く覆いがない。雨に打たれながらの入浴を体験した。 楽しみの晩餐の会場はフロントの近くの中2階にあり、車椅子の二人は逞しいホテルマン二人に車椅子ごと持ち上げて運んでもらった。広い会場には五つに分かれて大きな丸テーブルが用意され、幹事の指示に従って7~8人ずつ分かれて席に着いた。 料理はホテル自慢のフランス料理で今回の旅行プランのアドバイスをした倭神豚氏の推奨とのこと、給仕してもらえるのも嬉しい。GOTOトラベルの利用で飲み物は自由とあって、私たちのテーブルでは赤と白のワイン、地元名産の日本酒など各自好みの飲み物を注文した。 料理も飲み物も素晴らしかったが、先ずは同窓の友人たちと席を同じくできたことが嬉しい。新型コロナウィルス感染予防のため長らく慎んできた歓談の時であり、決して歩き回って杯を交わすことはなかったが、暖かい雰囲気に快く身を任せた一時だった。いつまでもこのような場を持ち続けたいと感じながら、校歌を歌って散会した。 私たちはおとなしく床に就いたが、遅くまで部屋での囲碁や歓談を楽しんだ人たちもいたようだった。雨はまだ降っていた。
バスはホテルを出発し、白馬岩岳マウンテンリゾートに到着する。関東組の自家用車から一人がバスに乗ってきた。着いたのはゴンドラ乗り場である。見上げると白雪に輝く山肌が遠くに見え、ゴンドラがゆっくり連なって登ってゆく。車椅子はどうなるのかと心配していたら、エレベーターで乗車口近くに上り、乗車時には「お客様の安全のため」とアナウンスをして、ゴンドラの運行を数分間停止して乗せてくれた。 進行方向に座るとゴンドラは急激な峰を越え、少しゆっくりと下がって又急峻な登りになる。眼下に迫る紅葉に目をとられていると、隣の妻は若い娘のように声をあげている。降ってくるゴンドラを見ると、犬を連れた人や箱外に自転車が付いているのもある。結構長い時間乗った感じで終点に着いた。また数分間ゴンドラの動きを停めて降ろしてもらった。山頂駅を出て少し坂道を上がると食堂のある建物が建っている。
白馬三山、すなわち白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳、の山々が、巨大な壁のように連なりその上部一面の白雪が、抜けるような青空に輝いている。私たちの昨夜の雨が山では降雪になったのだろう。なにか神々しさを感じる美しさである。展望台からの先の道は車椅子では無理だった。
昼食までまだ時間があるが、車椅子では散策できる範囲が限られていると思っていたら、バギーカーに乗っている観光客を見かけたので申し込んだ。GOTOトラベル施策のおかげで一人当たり4000円のクーポンをもらっており、宿泊地近辺での使用するのだが、昨夜のホテルには買うべき土産はなかった。さきほどのトランポリンはクーポンが使えると書いてあったが、バギーは駄目とのこと。しかし他にやることもないので一人当たり2000円を払ってバギーカーに乗った。 大型バイクに連結した箱車にヘルメットをかぶり、前方の取っ手をしっかり握って腰を下ろした。バギーは先ほどあきらめた展望台の先の道を進んでいく。そのうちに道を離れ、凹凸の大きい草原に入り、先の展望台より更に広く視界が広がった場所に出た。白馬三山の圧倒的なパノラマに息をのんだ。わずか15分程度のドライブだったが面白い体験を楽しんだ。 食堂に入り、クーポン券を利用して昼食をとった。
ここで関東組と別れた。僅かの時間の出会いであったが、いつまでも同窓の友は懐かしい。次回は新型コロナウィルス感染を気にせずに、ゆっくりと話が出来る環境になることを願って手を振った。 帰りはクーポンをサービスエリアでうまく使う配慮をしつつ、コロナ禍で車中カラオケはなく、小山さんのハーモニカを楽しみ、映画を見ながらおとなしく過ごした。名古屋に近づくにつれ道路の渋滞が増し、名古屋到着が相当遅れ、関ドライブインも閉店時間を過ぎて夜食も買えず、帰宅が遅くなったのは少し残念だった。
TOP32家主氏夫人はお馴染であるが、大女将の付き添いとしてお嬢さんが参加されたのは嬉しい驚きだった。実態は、肝心の大女将は付き添いなんかほっといて元気々々。助けてもらったのは美杉男氏と添乗員さん側のように見えた。弁当や飲み物を配ったり、身軽に動いて気持ち良い雰囲気を作ってくれた。 今回は学年幹事の美杉男氏と倭神豚氏が企画し、日本ユニバース観光の小山氏の手配で行われた。80過ぎの参加者に心配りした計画と実行に感謝したい。それにバスの運転手の運転は滑らかで素晴らしかった。新型コロナウィルスの第三波とみられる感染拡大が懸念されている現在では、実行がためらわれたのではないかと思われ、良い時期に実施できたのはラッキーだったと思う。 |
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《 11月27日 堀 川 記 》 | |||||||||||||||||
《関東組参加の記》 | |||||||||||||||||
♪ 8時ちょうどのあずさ2号で~ と唄う兄弟デュオ「狩人」の楽曲『あずさ2号』がヒットしたのは1977年だが、40余年後の今日も新宿8時始発特急「あずさ」は健在であった。ただし列車名は5号、車両はJRご自慢の在来線最新車両E353型、終着地も、かつての中央本線松本ではなく、大糸線へ延伸して白馬山麓を南小谷まで走る・・・という進歩ぶり。 その『あずさ5号』に、新宿から「うらら」「虎骨」のご両人、八王子から「あやとり」「☆G」の都合4名が乗り合わせることとなった。
朝の内は垣間見えた青空も甲斐路、信濃路…と西下するにつれ雨雲厚く垂れ、富士も八ヶ岳もその雄姿を望むべくも無し。とは言え、途絶えて久しいPKOのおしゃべりは絶える間もなく時は過ぎゆく。大糸線に入り木崎湖や青木湖の絶景の湖畔を辿る頃には乗客は我ら4人のみの貸し切り状態となっていた。雨脚のやや強い白馬駅に着いたのは定刻どおり11時42分。 この列車はフリーのWi-Fiが装備されており、インターネットの利用も新幹線並み。別途マイカーを駆って独り旅の「HERO」さんとはLINEを使って適宜情報交換し、白馬駅近くの蕎麦屋で落ち合うこととなった。朝食が早かったこともあって、揚げたての天ぷらを添えた手打ち信州そばは秀逸の旨さ! 食後のひとときHERO氏のマイカーに便乗して、近くの 『大出の吊り橋公園』を訪ねることとした。同期のホームページ『出逢い再び』の10月版Photoni句にも掲載した“白馬三山景勝地”のひとつである。折しも雨脚も弱まり、白馬の銀嶺こそ望めなかったが、秋彩豊かな里山の景色を味わう散策を楽しむには十分であった。 その後また雨足繁くなり、八方尾根や栂池など観光スポットめぐりを断念して宿泊先の白馬シェラリゾートへ向かった。 バスで到来の本隊到着予定まではかなりの時間があったが、ホテルロビーはゆったりとしたスペースと共にコーヒーはじめ色んなハーブティーを供する喫茶コーナーもあり、夕方にはワイン試飲サービスなども用意され暫し日常を忘れて贅沢な至福の時を楽しんだ。 本隊のバスの到着は大幅に遅れて、すっかり夜の帳も降りた時刻となったが、新年会以来久しぶりに合わせる懐かしい顔ぶれと “肘タッチ”を交わし再会を喜び合った。
今回の同期旅行は、コロナ禍のさなか、参加すべきか否か最初から迷いに迷った諸兄姉も少なくなかったであろう。現実に感染リスク回避を理由に参加を断念したひともいたに違いない。1年、2年後輩生の特別参加なくしてはバス旅運用も成り立たなかった筈。実施すべきでなかった…という声もあったかもしれない。されど、終わりよければすべて良し! いつも感じる ことだが、「何やらこの同期会グループには 不思議な“強運”が備わっている」…と今回も実感した白馬の旅であった。 |
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《 この項 ☆G 記 》 | |||||||||||||||||
<注> ◆写真提供:倭神豚 ・ HERO ・ ☆G ◆編集責任:☆G |
参考データ 【バス旅行参加者の推移】 2003年 箱根 95人 2005年 信州 85人 2007年 尾道 79人 2009年 金沢 67人 2011年 鎌倉 55人 2013年 高山 55人 2015年 西浦 33人 2020年 白馬 36(うち同期25)人 |
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